りすさんの保育室、顧問のご紹介

りすさんの保育室
顧問・大阪教育大学 小崎先生

より、以下の評価をいただいております。
更なる改善、向上を目指して日々の保育に取り組んで参ります。

りすさんの保育室・外部評価

【実施概要】

・日時 2020年8月28日金曜日

・場所 りすさん保育室(第一園)(第二園)

【はじめに】

 「りすさんの保育室」は山口県下関市において、企業主導型保育事業として二園の運営を行っている。本報告はその二園についての現地調査、ヒアリング、書類の確認を行った上で、その各施設の保育環境、保育内容、保育の運営等について評価を行った報告である。

◯現地調査

 第二園に午前中訪問をし、午前中の保育の様子や保育環境、実際の子どもとの関わり、保育の取り組みなどを見学した。

 第一園には午後から訪問し、お昼寝の時間帯とその後の保育の様子など、同様に見学をした。

◯ヒアリング

 第二園は午前中に出勤している全職員について、別室で個別にヒアリングを実施した。第一園は午後から、別室にて出勤している全職員について実施をした。時間は一人15~30分程度である。これまでの研修の記録シートを参考にして行った。

質問項目は以下のものを基本とし、その他自由に話を行った。

・現状の保育について

・保育の取り組みの悩みや問題点

・働き方や運営システムについて

・より良い保育の取り組みのための改善点について

◯書類

 書類は管理者との話の中で必要なものを随時提示いただき、それらを確認した。具体的には年間計画、保育計画、研修記録シートなどである。

【保育の取り組みについて】

 二園とも保育の取り組みは大変丁寧に、そして熱心な活動を行っていた。子どもと保育者がきちんと視線を合わせ、自然な関わりの中で子どもたちがくつろぎ安定した状態であった。普段の保育の関わりの良さや関係性の構築が前提としてあるように感じられた。子どもたち一人一人が大切にされ、自分たちの生活する生活の場という様な感覚が身に付いているように感じられた。これらは一朝一夕に身に付くものではなく、日々の丁寧な保育の積み重ねの上に出来上がる感覚であると考える。短時間だけの見学であり、子どもたちのすべての思いや育ちが十分に見られたわけではないが、日々の保育の丁寧さや子どもとの信頼関係の強さは、保育の活動の随所で見受けることができた。

【環境について】

 保育の環境については様々な箇所に工夫がこなされ、日々の生活のスムーズな流れや安全への取り組みが感じられた。全体的に明るい採光が取り入れられる環境であり、天井も空をイメージしたものとなっている。衛生的で雰囲気の良い作りとなっている。

 全体が1室なっており子どもたちの活動や保育者の動きが、一瞥で理解や把握ができるのは小規模の人数ならではの良さであると考える。それぞれの園に置いて、保育室以外のスペースをうまく使い水遊びや外遊びの活動ができるようになっている。都市型の保育施設においては園庭等の設備が難しい状況にあるが、様々な工夫やスペースの活用を行いより豊かな環境構成ができている。保育室だけではなく様々な環境構成の中で、それらをうまく活用し子どもたちの多様な経験を確保している。

 また机の上にアレルギーの食材を掲示するなど、全体的に子ども一人ひとりへの安全の配慮・環境構成はとても丁寧に行われている。小規模の人数とは言え子どものリスクを軽減する保育者、保育環境の取り組みはとても重要であり、それらが保育者、保育環境全般を通じて意識されている。保育施設には安全確保のためのカメラなどもあり、内部外部を通じ安全に対する意識が高いと感じた。

 限られた保育環境をうまく活用はしているが、子ども自身の目線や視点の範囲などを考えたとき、掲示物のあり方や保育者にとって使いやすさが優先されてはいないか等の項目は指摘をさせていただいた。適切に外部の視点を入れ日常の業務の中で少し見逃されてしまう部分を、このような外部評価を活用し改善しより良いものにしていく取り組みは非常に意義があると考える。

【保育者について】

 保育者は丁寧に明るく生き生きと保育の業務についていた。また保育者が他の保育者にそれぞれ声をかけ、全体的に良いコミュニケーションのもとで保育がなされているように感じた。子どものプールへの導入や着替えのタイミングにおいても、子ども一人ひとりに丁寧な声かけを行い、また保育者同士が連携を行い子どもたちの安全確保、より良い保育の関わりを行っていた。

 個別のヒアリングにおいても日々の保育の充実や、保育組織の労働環境の良さ等についても意見が多くあった。また施設長を始め管理者の保育者の意欲的な保育への取り組み、保育者一人ひとりへの配慮気遣い等を感じることができた。それぞれの職員や経験年数、あるいは保育者の得て不得手などがうまく組み合わさり、組織全体として質の高い保育の提供ができているように感じる。また職員集団としてお互いを信頼し育て合う関係性があり、高い同僚性を感じることができた。

 一人一人の研修の取り組みがファイル化されており、これまでの研修やキャリアアップ研修などが、積み重ねられている。保育者の質的向上に対する高い意識がうかがえた。

 ヒアリングにおける課題については、個々の子どもへの対応や子どもの関係性への関わり、子どもの発達の視点など、保育をより良いものにするため、または現在の保育をより深めていくための悩みや取り組みへの戸惑いの質問が多くあった。それらは質の高い保育を目指している職員集団としての成果であり、今後もこのような課題意識を持ち取り組みを行ってほしいと考える。

 現在の業務等の働き方等に関しては、ほぼ職員の間からは問題等は提起されてはいない。一人一人がそれぞれの立場で充実した働き方をしていると考えられる。それらに関しては管理者の意識や日々の努力が随所にうかがえる。質の高い保育を行うための保育者の高い意識が今後も継続し、保育者集団としてより連携と有機的な関わりができることを期待する。

【全 体】

 全体的に大変質の高い保育が取り組まれていくと考える。施設長を始め管理者の適切なマネジメントのもと、一人ひとりの保育者職員が意欲を持ち丁寧で、そして熱心に子ども一人一人と関わっている姿状況が感じられた。その中でより高い向上心を持ち、研修や日々の保育や業務改善に取り組んでいる姿が印象的であった。いきいきと保育者が働ける環境の中で、子どもたちの保育もより充実したものであり、また質の高いものになっていくと考える。そのようなより関係性の良い職員集団の構築をこれからも続けていってほしい。

 今後の課題としては、物理的な制約のある保育環境ではあるが、室外や室外の環境などを生かし、子どもたちにとってより多様な保育の環境や経験が積めるようにしていくことが求められる。

 また年間保育計画やカリキュラム等は、社会全体の動きや変化に合わせる形で、現場の実践的な保育との連動性がより求められる。そのような社会全体の動きや、より保育の質を高めるための情報の収集などが必要であると考える。